ベントグラスの肥培管理(芝生管理)について

2020.06.30 コラム

ベントグラスの管理方法は、基本的にC3植物(寒冷地)禾本科の生理に基づいて行うことが大切です。
この考え方は全ての植物の管理に当てはまります。このことはキーパー諸氏の方が技術・知識を持っておられる筈です。
むしろ現象及び技術については、何らかの裏付けに少しでも役に立てるよう心掛け、月を追ったメンテナンスレポート形式としました。

最近の天候は温暖化により気温の高い時期が長期にわたる傾向にあり、我々はそれを念頭に置いて管理計画を立てることが必要ではないでしょうか。
ゴルフ場芝生管理・雑草防除・メンテナンス業務

管理上の問題点

ベントグラスの管理は、グリーンとしての機能を維持するため、更新作業、施肥、ケミカルコントロール、散水等幅広い分野の作業が要求されます。特に重要なのは、年3回のエアレーション(コア抜き)時です。エアレーションは、土壌構成の三相分布と透水性の改善及び発根促進を目的で行う。ベントグラス(C3植物寒地型)は、生理的に6月(梅雨時期)~9月までの高温下では活性が衰えるので葉面吸収も出来る栄養補助剤(アミノ酸・亜燐酸、カルシウム・マグネシウム・鉄・光合成細菌・糖等)を併用し体力の消耗を防ぐ方法もある。

土性の重要性について

管理上、最も重要で問題になるのは、グリーンを構成している土性です。ベントグラスの生育に適していない土壌では、グリーンキーパーが懸命の努力をしても結果として現れません。特に透水性の悪いグリーンで毎年管理で苦労しているコースでは、土性の改良が必要です。
改良の方法としては、全面改良と使用しながら土性改良剤を使って行う方法がある。
改良には一時的に経費が必要になるが、毎年のランニングコストの軽減で十分ペイができ、コンディションの良いグリーンを提供できるメリットがある。
グリーンの土性の目安としては、固相50%・気相25%・液相25%位で塩基置換容量があり、透水性が150mm前後の土性がベントの生育・肥培管理・水管理・ドライスポット防止に好ましい条件です。根本的に土性を整えることは、全ての芝生管理の問題解決の早道です。